新茶はなんで5月?
2021.05.21(Fri)
皆さんはお茶が最も旬の時期をご存じでしょうか?
「お茶に旬の時期とかあるの?」と思う人も少なくはないでしょう。
実はお茶にも旬の時期があるんです。
「八十八夜」と聞いたことがある人もいるかもしれません。
今回は、新茶とその時期に関するお話をいたします。
「一番おいしい!」とされているのは?
お茶が一番おいしい時はいつなのでしょうか。
お茶の葉は、一年に3〜5回収穫することができます。
「新茶」とは、その年の最初に生育した新芽を摘み取って作られたお茶のことで、
「一番茶」とも呼ばれています。
以降、摘み取った順番により、「二番茶」「三番茶」と呼ばれます。
地域によっては、三番茶を摘み取らず、秋口に摘む「秋冬番茶」もあるようです。
中でも最もおいしいとされているのが「新茶」です。
甘みや旨味成分であるテアニンが、
二番茶以降の3倍以上も含まれているそうなので驚きです。
新茶は、収穫のタイミングが肝。
お茶は、発芽する前は寒さに強いですが、発芽した後は一転、霜に弱くなります。
また、葉が伸びれば伸びるほど、テアニンの含有量が減ってしまいます。
しかし、逆に早すぎてもほとんどが収穫をできません。
一番おいしいとされている「新茶」は、お茶農家の方が葉の成長、季節の進み具合を慎重に判断しながら収穫をしているのです。
このようなお茶農家の努力があり、
私たちはおいしい新茶を楽しむことが出来るのです。
新茶と八十八夜との関係
童謡「茶摘」で「夏も近づく八十八夜〜」と歌われている「八十八夜」。
この八十八夜とは、どんな日のことを指すのでしょうか?
また、お茶との関係もご説明します。
八十八夜とは、日本に古くからある雑節の一つで、
立春を1日目と数えて、88日目にあたる日を指します。
この八十八夜は、現代の暦か旧暦かに関係なく、毎年ほぼ一定です。
今年の八十八夜は5月1日。
毎年5月の初めであり、春から初夏へと移り変わる季節に訪れます。
「八十八夜の別れ霜」ともいわれ、この日までは遅霜に注意が必要な時期ですが、
この日を境に農作業のシーズンが到来します。
種まきや田植えと、農業が本格的に始まることを合図しています。
そしてまさに、この八十八夜が新茶の収穫時期のピークなのです。
冬の間じっくりと養分を蓄えた茶葉には、たくさんの栄養が含まれており、
「新茶を飲むと1年間無病息災で過ごせる」とも言い伝えられてきました。
遥か昔から、八十八夜が新茶の時期であることは変わらず、
今も昔もこの時期に茶摘みをし、健康を祈りながら新茶を味わってきたのです。
まとめ
今回は、「新茶」にまつわるお話をしました。
今年の新茶シーズンは終わりを迎えようとしていますが、
昔から変わらないスタイルが今もあることを知っていただき、
お茶の歴史に趣を感じていただけたのではないでしょうか?
また来年、おいしい新茶を楽しめる日が待ち遠しいですね。