お茶のプロが教える!美味しいお茶の淹れ方
2021.03.08(Mon)
普段何気なく飲んでいるお茶。
実はほんの少しの手間で、味や香りが引き立ちぐんと美味しくなるんです。
このコラムでは、お茶の種類からそれぞれに適した淹れ方などをご紹介いたします。
ご一読いただき、普段飲んでいるお茶とは一味も二味も違う美味しさを、ぜひ楽しんでみてください。
そもそもお茶にはどんな種類があるの?
一言にお茶と言っても、種類も多く個性が違います。
ここではまず、それぞれのお茶の特長をお伝えいたします。
・普通煎茶
緑茶の中でも一番飲まれている代表的なお茶です。
日光を遮らないで栽培をし、茶葉を蒸して乾燥させるという、最も一般的な製法で作られています。
・深蒸し煎茶
普通の煎茶よりも約2倍近い時間をかけて茶葉を蒸して作ったお茶です。
お茶そのものの味や緑の水色(すいしょく)が濃く、青臭さや渋みがありません。
・番茶
「番外茶」が由来と言われており、日本茶の主流から外れたお茶のことです。
地域によって製法が違うので、水色(すいしょく)が緑色や茶色があります。
遅く摘むお茶という意味での「晩茶」からきているなど、由来には諸説があります。
・ほうじ茶
煎茶や茎茶、番茶などを焙(ほう)じて製造したお茶です。
高温で焙煎するため水色(すいしょく)は茶色で、香ばしくさっぱりとした味わいが特長。
・玄米茶
精米を蒸して炒ったものに番茶や煎茶などを同量加えたお茶です。
炒った米の香ばしさは、ほうじ茶の香ばしさとはまた違う味わいとなっています。
・玉露
栽培の過程で摘み取り前の20日前後に直射日光を遮って作られるお茶です。
日光を浴びないことでお茶の旨みが増え、トロッとした口あたりとコクのある甘みが特長。
「覆い香」といわれる独特の香りも楽しめる逸品です。
お茶の個性に適した淹れ方
お茶もヒトも十人十色。
その個性を存分に味わっていただくための淹れ方をお伝えいたします。
お茶の種類 | お湯の温度 | 茶葉の量 | 浸出時間 |
普通煎茶(上級) | 約70℃ |
1人分 :5g
2,3人分:1人につき3g目安 10人分 :20g程度 |
2分 |
普通煎茶(並級) | 約90℃ | 1分 | |
深蒸し煎茶 | 約90℃ | 約30秒 | |
番茶・ほうじ茶・玄米茶 | 90℃以上 | 5人分 :15g ※少人数の場合は1人分を少し多めに |
約30秒 |
・普通煎茶(上級・並級) / 深蒸し煎茶
①湯呑みにお湯を8分目ほど入れて冷まします。
②茶葉を急須に入れます。
③冷ましたお湯を急須に入れ、浸出するのを待ちます。
④お茶を濃淡のないように均等に注ぎ、最後の1適まで絞りきりましょう。
POINT:上級煎茶は並級煎茶と比べて旨み成分を多く含み、
それを充分に引き出せるよう低温で淹れます。
また、深蒸し煎茶は茶葉が細かく成分が溶け出しやすいため、
浸出時間は短めになっています。
・番茶 / ほうじ茶 / 玄米茶
①茶葉を急須に入れます。
②熱湯を急須に注ぎます。
③お茶を濃淡のないように均等に注ぎ、最後の1適まで絞りきりましょう。
POINT:渋みや旨み成分が元々少ないため、高温で淹れて香ばしさを楽しみましょう。
・玉露
①急須にお湯を注ぎ、冷まします。
②急須のお湯を湯呑みの7分目ほどまで注ぎ、さらに冷まします。
急須に残ったお湯は捨てます。
③茶葉を急須に入れます。
④湯呑みのお湯を急須に入れ、浸出するのを待ちます。
⑤お茶を濃淡のないように均等に注ぎ、最後の1適まで絞りきりましょう。
POINT:低温でじっくりと旨みを引き出しましょう。
お茶と水とお湯の温度の関係性
お茶を美味しく淹れるには、水とお湯の温度もとても重要です。
ここでは、おさえていただきたいポイントをまとめました。
・水道水を使用する場合は沸騰させてから使用
水道水に含まれている塩素を消すため、沸騰をさせてから使用しましょう。
ミネラルウォーターの場合は、お茶を淹れるのに適している軟水を使用してください。
カルシウムやマグネシウムを多く含む硬水は、お茶の成分と反応し、本来のお茶の味や香りが損なわれるため適していません。
・旨みは低温、香りは高温
渋みを抑えて旨みを引き出したい上級煎茶や玉露の場合は、お湯の温度は低温に。
香りを楽しみたいほうじ茶や番茶などの場合は、高温のお湯を使用してください。
緑茶の健康成分であるカテキンを効率的に摂取したい場合は、高温のお湯をおすすめします。
まとめ
今回はお茶の種類から美味しいお茶の淹れ方などをお伝えしてきました。
普段の生活に取り入れていただき、お茶それぞれの個性を存分に味わい、楽しんでいただけたら嬉しいです。
静岡茶商工業協同組合が運営している「一茶」では、選りすぐりのお茶をご紹介しています。
ぜひ、お気軽にお立ち寄りください。